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名付けにおいて、健康運・財運・仕事運・対人運それぞれの運勢に特化する場合の命名手法について~シリーズ1(財運)

今回はタイトルにもありますように、名付けにおいて、健康運・財運・仕事運・対人運それぞれに特化する場合の命名法について解説したいと思います。私が有料で命名を行う場合は、基本的には総合的に運勢が良好となるよう構成するのですが、ご依頼者様によっては財運を特に考慮してほしい、健康運を特に上げてほしい等、種々の運勢に特化した姓名をご希望される方も多いです。

また、ご依頼・ご相談のなかでは、姓名と先天運とのバランスに関するかなりテクニカルなご質問をいただくこともあるため、そのような方も視野にいれ、今回は先天運も交えた命名の考え方と方法について解説したいと思います。そしてそれらの理解をさらに深めるため、実例も出してみたいと思います。

なおそれぞれの運勢に対する考え方や命名方法について一度に解説すると記事が大変長くなってしまうため、今回はそのシリーズ1として財運について解説致します。

財運の強い人・弱い人の傾向について

財運の強い人の先天運・姓名構造の傾向としては、先日の与沢翼さんの記事でも少し触れましたが、日干と財干の力量のバランスが良いという点につきます。力量を数値であらわすと、日干の力量が10だとしたら、財干の力量が5~15程度に収まっている人は財運位相が高く、一生を通じて安定した財を得ていく傾向があります。

もちろん先天的に財運が良くても、姓名構造の偏りが激しいために財運を損なっているとか、大運干支によって財運が大きく低下する等のことも起こりえるため、先天的に財運位相が高いことは必ずしも常にお金に恵まれるとは限りません。そこで特に重要なのが姓名構造であり、大きな財を成す人の多くが先天運において財運位相が高く、なおかつ姓名と先天運とのバランスにおいても財の力量が適切、となっていることが多いです。

他にはビートたけしさんのように、元々財多身弱で貧しい家の出身だった人が、喜神の大運干支によって財の力量が適切となり、一気に富豪となる例も稀にあります。

財運が弱い人の例としては、その逆で、日干が弱いのに財干が著しく強いとか、日干が強すぎて財干が著しく弱いとかですが、特に日干が強すぎて財干が全くないか極めて弱い人は一生貧しい傾向があり、当サービスのご依頼者様のなかにもしばしば見受けられます。

お金に困窮している方の多くは日干が強すぎ、財が全くないか非常に弱い傾向があると言いましたが、これは財に対する執着心が弱いためです。反対に財が忌神でもある程度強い場合はお金に対する執着心が強くまた蓄財心も発達しているため、収入は低くてもうまくやりくりしているケースは多いです。

また少しテクニカルな話にはなりますが、従財格等の棄命的特別格局に分類される場合は、上記の枠に当てはまりません。従財格の場合は日干がとても弱い反面財干がとても強いのですが、財が喜神となるため、元々強い財運の持ち主です。有名人だと木村拓哉さんが従財格になると判断しています(木村さんの三柱から、大運と事象を照合しての推測記事を四柱推命旺で書いています)。

ただしそのような従財格の場合でも命名においては、日干と財干の力量を適切に保つことが喜となるため、基本的な考え方は普通格局でも特別格局でも変わりません。

財運を強化する命名方法について

ビジネスネームや改名依頼において、特に多いのが財運を上げてほしいというものです。そして当然ですがそのような方の先天運や姓名をうかがうと、やはり財運位相(運勢)が低い構造となっていることが確認できます。なかには先天運において財干が適切ではあるものの、姓名や大運干支によって財運が大きく低下し、困窮しているという方もいます。

なおはじめに言っておきますが、財運というものは姓名構造だけで考えられるものではありません。画数の財運というものは、24であれ39であれあくまでも財を稼ぎやすい素質を備えているという数固有の性質に由来するものであり、今回紹介する先天運を根拠とした財運位相とは全く関係しません。つまり皆さんもよくご存じのように、昔から財運数だと言われてきた24をもつ人は沢山いますが、その中に貧しい人もやはり沢山いるわけです。

そこで財運を上げる、についての考え方については、先ほどの基本事項を踏まえ、概ね以下となります。

  • 先天運と姓名の五行バランスにおいて、日干の力量より財干の力量がほぼ同程度、もしくはやや財干の力量が上回るよう構成する
  • 食傷生財となるよう姓名を構成する
  • 五行の気の流通・気勢というものを考慮する

上記の3点ですが、その人のもつ先天的五行エネルギーによって、以下のような処置が必要となります。単純に日干の力量と財の力量を均衡に保てと言っても、比劫ばかりが強いとか、食傷ばかりが強いといった命式があるためです。

  • 比劫が突出して強い場合:食傷、特に財を強める
  • 印が突出して強い場合:比劫と食傷、そして特に財を強める
  • 官が突出して強い場合:食傷と財を同程度に強める
  • 財が突出して強い場合:印、特に比劫を強める
  • 食傷が突出して強い場合:印と財を同程度に強める

等の処置が必要となるのですが、当然比劫と印ばかりの命式、官と財ばかりの命式等何通りもの組み合わせが存在するため、それぞれの命造に合わせて日干と財の力量が概ね適切となるよう構成しなければいけません。すなわち、五行の気の流通ということを頭に入れずに、ただ日干の力量と財の力量のバランスを取ろうとしてもダメなのです。

また姓名の構成時には、大運動向も考慮する必要があります。最もお金を稼ぐべき時期・稼ぎたい時期の大運にどのような干支が巡るかによって姓名を構成する必要があると言うことです。これは改名希望の方に多いです。つまり今すぐに財運を上げたいというものですが、そういう場合は現在~直後の大運動向を加味する必要があります。この場合も考え方は同様で、先天運と姓名における日干と財干の力量バランスを取るというものですが、これに大運干支を加味して計算しなければならないため、少々複雑となります。

たとえば財運を上げたいというご依頼者様のなかで最も多いのが身強・財弱です(従旺格含む)。そのような場合、大運にも忌神が巡っている方が多いのですが、すると日干は大変強くなっている状態ですので、食傷そして特に財を極力旺盛にしなければいけません。また官が強すぎて財のエネルギーが疲弊している場合も食傷と財の力量を強める必要があるのですが、その場合は官を剋す食傷も強めにすることが適切ですし、日干が弱い場合は印・比劫も必要となるでしょう。

財運が強い人の先天運・姓名実例

説明だけでは分かりにくいと思いますので、ここからは実例を出して解説してみたいと思います。

YouTuber・ヒカルさん

YouTuberのヒカルさんは複数の事業を立ち上げ年収は50億とも言われています。

ヒカルさんの芸名【ヒカル】は6数・陰土で、本名【前田圭太】の姓名構造は以下です。

【前田圭太】の姓名構造

天格・14・火|人格・11・木|地格・10・水|外格・13・火|総格・24・火
三才【火・木・水】

ヒカルさんの本名の総格は24ですが、これまでの流れで24をもつからお金持ちであるわけではないことはご理解いただけるものと思います。ヒカルさんの先天運は日干・己土の普通格局・身強、財の水が天干・地支に通根する命造なのです。そして与沢さんと同様食傷(金)生財(水)の構成となっていることも財運(稼ぐ力)が強い人の特徴です。

時柱が不明なため本当の財の力量は把握できませんが、おそらく事象と姓名構造から時柱は食傷(金)か財(水)が来るのではないかと推測しています。いずれにしても日干の力量が平強~小強程度と思われ、また財が通根しているため、姓名に強い財は必要ありません。

大運動向を読むと、YouTubeチャンネル開設からこれまでの運勢が【辛卯】【庚寅(現在)】木旺運(官)、さらに土旺を経て2038年からは水旺運に入るため、日干の力量を保つために印(火)が多く入る構造はとてもバランスが良いわけです。また三柱では財がそれほど強いわけではないため、財の水が一格に入る点も財運強化に寄与しています。

逆に稼ぎ時の大運動向が木旺や水旺ではなく、日干を生じる忌神の火・土である場合、姓名は金・水を強める必要があります。したがって姓名【前田圭太】であっても、もし大運が忌神巡りであれば五行バランスが崩れるため、今のような成功・発展はないということになります。

姓名の気になる点としては食傷(金)が一点あればなお良いとも思いますが、もし時柱が金の場合は不要ですので、三柱でこれ以上議論を進めることができません。

また三才が相生構成であり吉数の多い構造も大変良く、姓名は総合的吉名・喜名と判断することができます。

投資家・竹田和平さん

和製バフェットとも言われる投資家の竹田和平さんについては別記事でも解説していますが、先天運と姓名とのバランスが極めていい好例です。元々竹田さんの先天運は日干辛の土多身強(調候不良の可能性もあり)という位相の低いものであり、姓名構造が悪ければ貧賤の境遇にいたであろうことが推測できます。

しかしながら姓名構造は以下のように先天運の悪さ(五行の欠け)を補う大変素晴らしいものです。

【竹田和平】の姓名構造

天格・11・木|人格・13・火|地格・13・火|外格・11・木|総格・24・火
三才【木・火・火】

竹田さんは日干・辛金ですので財は木です。つまり財の木が二格、官の火が三格に入り、ちょうど先天運に欠如した二行を補うような姓名構造となっています。特に調候用神である陽火(13)が二格に入ることで調候良好となり、財運位相がさらに高まることになります。

また竹田さんは元々先天運に有力な食傷(水)を有しているため、上記姓名構造によって食傷(水)生財(木)となっていることが分かるでしょう。さらに官の火が財を活かす構造となっていることも喜名の証拠です。官は社会的成功運や地位を司り、財官のバランスが良いことで財力(木)が地位(火)を高めていくことになります。

さらに木は水との関係だけだと、濡れ腐ったような木となり財源としては弱くなるのですが、火(太陽)があることで『活きた木』となり財運も活発化するという五行の法則も働いています。

アパホテル社長・元谷芙美子さん

言わずと知れたアパホテル社長の元谷芙美子さんは先天運において、日干戊土の普通格局・身強(小強以上)です。財は水ですが、地支に三干(亥・子中)の財干が埋蔵されており、適切な財干を有していることが分かります。

また喜神は金・水、忌神は火・土・木(閑神)であり、日干の力量もかなりあるため本来であれば金・水が旺盛になるのが良いのでは?と考えたくもなりますが、大運動向を無視してはいけません。

元谷さんは一生を通して大運に喜神(金・水)が巡るという大変大運位相の高い方です。このため喜神を旺盛とすると逆に喜神のエネルギーが強まり過ぎ、財運位相も低下してしまう懸念があります。つまり適度に日干を生助する火・土が必要ということです。姓名構造(結婚後)を見てみましょう。

【元谷芙美子】の姓名構造

天格・11・木|人格・17・金|地格・22・木|外格・16・土|総格・33・火
三才【木・金・木】

三才が相剋しており相応の波乱・逆境あるものの先天運との五行バランスは大変良く、なおかつ大運位相も高いため成功する暗示が見られます。火・土が強すぎない点、および官の木が二格に入り財干有情となる点が現在の成功と地位の裏にあります。

そして元谷さんがアパホテル株式会社の社長に就任したのは1994年のことでしたが、この時の大運が喜神の財旺じる【辛亥(1987~1997)】、続く大運は財最強となる【壬子(1997~2007)】であり、これらの大運下において多くの財を得たことが暗示されています。

したがって姓名に水は不要、命式にないと思われる食傷の金が1点ほどあれば良いという感じですが、姓名はその通りの構成となっています。

ただし元谷さんは元々日干がかなり強く、主には大運動向を根拠として財の喜象があらわれているため、忌神が巡ると財運位相はガクンと低下します。ただし、強い財運を経て蓄財してきた場合は、大運で多少の忌神が巡っても、余程のことが無い限りは財を保持することができますので、それほど財運位相を心配する必要はありません。

食傷生財が最強なワケ

最後に、四柱推命を知らない人はよく分からないかもしれませんが重要なことなので語っておきます。とはいえ、先天運における食傷や財というものは姓名にも強く関連しており、姓名五格の五行を先天運と絡めて食傷とか財とか言っているわけですので、姓名のこととして考えていただいても問題ないです。ちなみにさらに厳密に言うと、姓名構造それ自体にも食傷や財という生剋名が存在するのですが、それを語り出すと非常にややこしい話になるためここでは割愛します。

ここまでは主に日干と財干の力量に重点を置いた【財運位相】について語ってきましたが、やはり食傷生財ということが財運にとっては最も重要だと考えています。食傷が適切・良好であると地頭が良いなどと言われることもあるのですが、その本当のところは発想力に優れている点です。

食傷は自我(比劫)から生み出されるもの、つまりアイディアや弁舌・アウトプット能力・知恵・才能発揮等を司ります。これに加え、財干が近接してあると食傷生財と言われ、【自分のアイディアや能力が財を生み出す】という現象が起きてくるのです。

このため食傷生財であり、なおかつそれらが喜神となる場合は、次から次へとアイディアを生み出しそれを財獲得につなげるという発想力に優れています。このためある事業で困難にあってもまた全然別のアイディアを展開して成功するというような流れを作ることが得意で、なかには多種多様な分野で成功している人も多いでしょう。

ちなみに財がなく食傷ばかりの人は、才知に長けていても、自分の好きなことをやることに夢中でお金にはあまり興味が無いことが多いです。反対に食傷がなく財ばかり強い人は、何が何でも稼いでやるという意欲ばかりが先行するため、時にグレーな方法でお金を稼ごうとする人もいます。また新規のアイディアを出すことはあまり得意ではないため、他人の成功事例に便乗するというようなことも多くなりがちです。

ちなみに食傷生財といっても色々で、そもそも食傷や財が忌神で姓名構造も悪い場合は、終生財(仕事)に翻弄されて終わってしまう人も多いです。重要なことは、日干を取り巻く五行バランスが良く、その上で食傷生財であるという点です。