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吉名なのに病難・災難に襲われるのはなぜか? - 先天運から最良の姓名を導きだす方法

日々様々な方々の姓名を見ていると、吉名なのに病難・災難に襲われ、若くして亡くなられてしまう方が少数ですが確かにいることが分かります。これは何を示しているのかというと、姓名だけが人の運勢を左右するわけではないということと、暗に先天的な運勢の影響力が働いているということです。ですから姓名が良いのに不慮の災難・病難等で早世した方々の場合は、姓名と同時に先天運を読むことで、その理由が明らかとなります。実際、これから紹介する方々のすべてが、姓名学的には良名をもつが、先天的な悪運に苛まれた人々であります。

先天運を占う手法は幾つかあると思いますが、私は最も信頼できると考えている四柱推命を用います。四柱推命では、その者が生まれた年・月・日・時の情報から、それを干支に変換した上で八字と呼ばれる命運の図を作成します。さらにその命式から、その者の用神・喜神・忌神・閑神といったものを導きだします。喜神とは、簡単に言えばその者の運勢に対して好ましい働きをする干支です。反対に忌神とは、その者の運勢に対して悪い働きをする干支です。以下、具体的な事例とともに見ていきましょう。

あなたの命式はこちらのページ調べることができます。

小林麻央さんの場合

2017年に乳がんで亡くなったアナウンサーで市川海老蔵さんの妻・小林麻央さんも、姓名と先天運とのバランスが極めて悪く、病弱短命となる暗示があらわれていた一人です。まずは、小林さんの命式をご覧ください。

小林麻央さんが生まれた1982年7月21日の三柱

時柱 日柱 月柱 年柱
天干 不明 乙(木) 丁(火) 壬(水)
地支 不明 巳(火) 未(土旺) 戌(土)

四柱推命ページで見る

時柱が不明のため格局を正確に明らかにすることは不可能ですが、その命式の構造とこれまでの経歴に照らし、小林さんは恐らく従財格という特別格局に分類される命式であると思われます。従財格(じゅうざいかく)とは、月支において財が月令を得て、なおかつ極端に身弱である場合に分類されます。

ご覧のように、命式は火と土ばかりであり、カラカラに乾いています。おまけに、天干の丁と壬は合去という作用を起こし、無作用化するために、水が全く機能していません。夏生まれにおいては調候用神として水が必ず必要なのですが、それが全くない場合、健康や運勢面に非常に悪い影響を及ぼすと言われています。

そして重要な喜神は、従財格の場合は火・土・金、忌神は水・木となります。しかし従財格の場合は、歳運に忌神の水・木の旺支が巡ると破格という現象が起こり、格局の成立条件が破れることから、喜神と忌神が逆転するという現象が起こるのです。すると小林さんの場合は、忌神が火・土・金となり、既に大過している火や土による病難を煩いやすくなります。このため、小林さんの姓名には破格を見据えての木や水が必須であり、ない場合は病弱波乱を免れないのです。

ここで小林さんの姓名をうかがってみましょう。以下に本名と結婚後の二つの姓名を示します。その違いをよく見比べてみてください。

  • 小林麻央
    天格・11 | 人格・19 | 地格・16 | 外格・8 | 総格・27 | 三才【木・水・土】
  • 堀越麻央
    天格・23 | 人格・23 | 地格・16 | 外格・16 | 総格・39 | 三才【火・火・土】

小林麻央さんの体調に変化があったのは2012年のこと、ウィキペディアには『長男の出産から約1年後に乳癌の兆候が確認されていた』とあります。詳しくはここでは解説しませんが、実はこの2012年~が、ちょうど小林さんの大運において破格となる時期と重なっていたのです。

そして小林さんは2010年に結婚しており、その時から本名は【堀越麻央】となっています。二つの姓名を見比べると、小林姓では三才相剋ではあるものの、小林さんにとって重要な木と水があることが確認できます。土剋水の構造ですが、外格には水を生じる8数・陰金をもつため、水が活きた構造と言えるでしょう。

特に陽水(19)は小林さんの調候であり、健康上極めて重要な五行ですので、先天運とのバランスという観点のみでみれば、この【小林麻央】という姓名は福運があるのです。

ところが結婚後堀越姓に変わると、小林さんの姓名から木と水が消えました。反対に火と土が大変強まっています。これは非常に悪い兆候であり、なぜなら2012年から小林さんは破格となり、すなわち喜神は木・水、忌神は火・土・金となっていたからです。そして、それに加えて姓名に忌神の火・土が大過するということは、極めて病弱の傾向性があると言わざるを得ないからです。

どのような病気を患うか?ということについては、火・土が大過するため、特に土の部位。また、土が極端に強まることによって、相対的に弱まる水や木の部位にも不調があらわれるはずです。このため小林さんの場合は、特に木と水を強化してあげることで吉名となります。

ちなみに『乳がん』は水の五行のアンバランスによって生じる病気なのですが、既に解説したように水は小林さんにとっての調候用神であり、その大切な水が大運や姓名構造によって極端に弱まったことが、早世の原因(暗示)として明瞭にあらわれているのです。このように見てくると、吉数・凶数といった四大運の影響よりも、先天運との五行バランスのほうが、運勢や健康に多大な影響を及ぼすということが感じられるでしょう。

なお小林さんの先天運については、四柱推命旺の記事【波乱重々となる『破格』や『変格』とはなにか?小林麻央さんの命式から破格の時期を読む】で詳しく取り上げていますので、さらに詳しく知りたいという方はこちらの記事をお読みください。

田中裕二さん(お笑い芸人)の場合

2021年1月20日、お笑いコンビ・「爆笑問題」の田中裕二さんが緊急搬送され、クモ膜下出血・脳梗塞と診断されたと報じられました。まずは田中さんの姓名をうかがってみましょう。

  • 田中裕二
    天格・9 | 人格・17 | 地格・15 | 外格・7 | 総格・24 | 三才【水・金・土】

ご覧のように四大運に吉数あり、また三才は【水・金・土】の相生配置にて基礎運・成功運ともに強く、姓名的には凶暗示は見られません。ところがこちらの姓名、田中さんの先天運と照らし合わせると、大いに問題があるのです。

それをご理解いただくために、次は田中さんの命式をご覧ください。

田中裕二さんが生まれた1965年1月10日 の命式

時柱 日柱 月柱 年柱
天干 不明 甲(木) 丁(火) 甲(木)
地支 不明 子(水) 丑(水旺) 辰(木旺)

四柱推命ページで見る

田中さんの命式はこのようになっています。ここでは詳しい解説は控えますが、木(忌神)・水(忌神)・金(閑神)を忌み嫌う命式構造となっており、喜神は火・土。つまり先天運と姓名とのバランスを考慮すると、木・水・金を姓名に多く配する事はバランスを欠き凶となるのですが、田中さんの姓名は三才【水・金・土】と金・水の強い姓名構造となっています。

なお三才【水・金・土】は土->金->水という相生の流れになっていますし、人格・外格ともに金の数ですので、総合的に見て金・水が最も強いと判断できます。

つまり田中さんにとって【田中裕二】という姓名は先天運とのバランスが悪く、特に大過する木や水の部位に病難を発しやすい、ということが言えます。そして今回田中さんは『前大脳動脈解離によるクモ膜下出血・脳梗塞』と診断されたようですが、脳は木の五行、血流は水の五行に象徴されるのです。(※血液自体は火の五行に属します。水火は相剋関係のため、水がアンバランスの場合は大抵火もアンバランスな状態となります。)

また田中さんは過去にも、『2000年9月12日、精巣腫瘍のため都内の病院に入院。10月9日に左側の睾丸摘出手術を受けた。(ウィキペディア)』とありますが、精巣・睾丸も水の五行に象徴される部位なのです。このように水がアンバランスとなる場合は、水の部位に病難があらわれる傾向があります。ちなみに泌尿器系・婦人科系は概して水の五行に属しますので、水がアンバランスの方はそれらが弱い傾向にあります。これはご自身の先天運を確認していただくと即座に分かるでしょう。

このように田中さんの姓名は、田中さんにとって大いに病難的暗示があるものの、しかし姓名構造そのものは良いため、社会的な成功運はそれなりに強いということが言えます。

当サイトは姓名判断サイトですので四柱推命の詳しい解説は省きましたが、私が運営している【四柱推命旺】にて田中さんの命式解命を行っていますので、もし田中さんの詳しい解命結果が知りたいという方はこちらの記事『田中裕二さんの日干強弱と喜神・忌神』をご参照ください。

坂井泉水さんの場合

坂井泉水さんは、人気音楽ユニット「ZARD」のボーカリストとして人気を博した人ですが、惜しくも2007年5月に事故で死亡してしまいました。また坂井さんは生前、子宮筋腫や子宮頸癌などの病気に悩まされていたことも知られています。

そんな坂井さんの姓名が以下です。

芸名『坂井泉水』においては、四大運すべて吉数、また三才も良いため、「どうしてこんないい名前なのに早く死んじゃったんだ?」などと感じる人がいるかもしれません。しかし後に分かるように、実は坂井さんにとって「坂井泉水」は吉名などではなく、非常に病難に苛まれやすい凶名だったのです。

それを理解するために、まずは坂井さんの命式(先天運)を見てください。

坂井泉水さんが生まれた1967年2月6日12時の命式(※生まれた時間は他サイトから得た情報です)

時柱 日柱 月柱 年柱
天干 甲(木) 辛(金) 壬(水) 丁(火)
地支 午(火) 丑(土) 寅(木) 未(土)

四柱推命ページで見る

四柱推命はよくわからないという方のために、()内に五行を書き入れました。赤字になっているのが日主といって、坂井さんの先天的エネルギーの核です。これは姓名における人格のようなものだとお考えください。この日主を中心として、周囲に存在する干支の様相から、坂井さんの喜神・忌神を探っていきます。

まず日主以外の干支を見ていただきたいのですが、木・火・水といった五行が多く存在するのが分かるかと思います。そしてこれらの五行は日主の辛金(しんきん)のエネルギーを奪う干支ですから、日主の金には生気がないことが分かります。ちなみに未土が年支にありますが、日干に無情となっていますので、日支の丑のみが日干の頼りです。

丑は日主を生助していますが、強い木と火のエネルギーに対抗できる力はありません。また強い火によって土が乾き、丑は思うように金を生じることができません。さらに月干には火を弱める壬水があるものの、これは年干の丁と合して木化するため、木・火圧倒的に強い命式なのです。

そして坂井さんの命式は正財格という普通格局ですから、喜神は土と金。忌神は木と火。水が閑神です。つまり、木と火が圧倒的に強く日主を苦しめているため、これ以上木や火は必要ありません。あるとかえって難を生じることになります。

また坂井さんの忌神を決定づけるものとして、坂井さんが死亡した年の大運を見てみましょう(四柱推命ページからもご覧になれます)。それは【丙(火)午(火)】(2006年~)ですから、やはり火が忌神であることが分かります。

ここで改めて坂井さんの姓名を見てください。

芸名・本名ともに、喜神の金や水のエネルギーが少なく、木・火・土が優勢であることが分かるはずです。特に芸名の「坂井泉水」は木と火しかないため、著しい病難をもたらす凶名(暗示)として作用します。

ちなみに坂井さんは日主が金であり、木・火大過しているため、以下の部位に病難が生じやすい暗示があります。

  • 忌神であり大過する五行 - 火および木の部位
  • 喜神であり足りない五行 - 土および金の部位

坂井さんが患った肺がんは金の五行に属します。また子宮は水ですが、これは火が大過することにより水が弱まりますから、水の部位にも当然難が生じやすくなります。さらに「がん」そのものは土の五行に関係すると言われています。

このように姓名学的には大吉名でも、先天運との兼ね合い・バランスによって凶名となってしまうことは、できるだけ多くの人々に知っていただきたいことです。

宮川典子さんの場合

自民党所属の政治家であった宮川典子さんは、『2019年(平成31年)4月1日、東京都心部でタクシーを降りた後、後ろから来た車にはねられて救急車で病院に運ばれた。5月6日に退院し、約1か月ぶりに政治活動を再開したが、同年(令和元年)9月12日20時25分、乳がんのため、東京都内の病院で死去。40歳没。』とウィキペディアに書かれています。

名前は宮川典子です。四大運に吉数を有し、三才も【火・木・木】の大吉名ですから、姓名だけを見れば最高の吉名だと思うかもしれません。しかし実際には40歳という若さで亡くなってしまったわけですから、姓名だけでは解明できない部分があるということに他なりません。

宮川さんの先天運にあらわれた忌の兆候

そこで宮川さんの先天運を見てみることにします。生まれた時刻が分かりませんので時柱は不明ですが、以下に彼女の命式を示します。

宮川典子さんが生まれた1979年4月5日の命式

時柱 日柱 月柱 年柱
天干 壬(水) 丁(火) 己(土)
地支 寅(木) 卯(木) 未(土)

四柱推命ページで見る

また()内に五行を書き入れました。日主を中心として命式内の様相を見ていきましょう。

まずは日主の身強・身弱を判断していきます。見るとすぐに分かるのが、日主の水に対して、他の干支には木・火・土しかなく、これらはすべて水のエネルギーを奪う五行だということです。つまり日主は身弱の可能性が高いということですが、もしそうであれば話は簡単で、木・火・土がそのまま忌神(運勢上好ましくない五行)となります。

しかし、宮川さんの命式においては日主を生助する金と水が1点もないため、外格(従格)になる可能性も考えなければいけません。もし外格になると、木・火・土の五行が喜神となりますから、喜神・忌神がまるで逆になってしまいます。

そこで宮川さんが死亡した時の大運を見てみます。死亡したということは、大運に忌神があらわれている可能性が非常に高いからです。(※ただし病気の場合ですと、忌神運の時に発症し、その後喜神運に入って亡くなるということもよくありますので、過去の大運もしっかりと読まなければいけません。)

宮川さんが亡くなったのは2019年9月12日です。この時の大運は【壬(水)申(金)】ですから、普通格局であれば喜神運に入っています。しかし大運をよく見てみますと、この大運に突入したのは2019年の6月からですので、前運の大運も考慮に入れなければいけません。なぜなら運勢というものは、干支が変わった瞬間から運勢ががらりと変わるわけではなく、ゆっくりと変化してくるからです。それに加え、乳がんで死亡したということは、恐らくそれより大分前からガンが進行していた可能性が高いと思います。

そこで一つ前の大運を見てみると、それは【辛(金)未(土)】です。地支に土がありますが、土は「がん」に関係する五行として知られるものです。天干には喜神の金がありますが、未は乾いた土であり金を生じる力が弱いですし、命式全体のエネルギーバランスを見ると、金が水を生助できる力はほんのわずかです。このことから、宮川さんは土が忌神である可能性が高いと分かります。

大吉名でも先天運によっては凶名となる姓名

以上のことから、宮川さんの命式は恐らく外格ではなく普通格局で、木・火・土が忌神であると思われます。それに沿って再び宮川さんの姓名を見てみましょう。姓名には木と火しかなく、これらは忌神です。もし宮川さんの忌神が木・火・土であるなら、命式にもこれだけ忌神があるのに、さらに姓名においても五格すべてに忌神をもつとなると、吉名は一転して凶名となります。

五行バランスを先天運との関係で見ると、木ー>火ー>土という風に土を強化しますので、概ね火・土大過と言えるでしょう。そして言うまでもありませんが、土は日主の水を剋します。特に未のような乾いた土は身弱の水にとっては悪運を招くこととなり、さらに歳運などで忌神が巡ってきた時、運命には悪運が現実のものとなってあらわれたと考えることができるのです。

ですからもし宮川さんの姓名・三才が【火・土・金】であれば、もう少し長生きをしたはずです。以上の姓名では忌神の土があるものの、喜神の金が土に生じられるため、火・土大過とはならないからです。しかしやはり、宮川さんのように著しい身弱の場合は、【水・金・土】のように人格に喜神をもつことが望ましいと言えます。

松田直樹さんの場合

2011年にプロサッカーリーグである松本山雅FCと契約した松田選手は、その年の8月2日9時58分頃、チームでの練習中に突然倒れます。「急性心筋梗塞」でした。そして後の8月4日13時6分頃、34歳という若さで亡くなります。早速松田さんの姓名を見てみましょう。松田直樹です。

見ると、松田さんの姓名は火がとても強いことがわかります。三才が【火・火・火】です。そして、心臓は火の五行に象徴されるのです。つまり、松田さんは火が忌神である可能性が高いということです。もし火が忌神であれば、火の強い姓名はかえって凶名となります。次は松田さんの先天運を見てみましょう。

松田直樹さんが生まれた1977年3月14日の命式

時柱 日柱 月柱 年柱
天干 庚(金) 癸(水) 丁(火)
地支 午(火) 卯(木) 巳(火)

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まずは松田さんが身強か、身弱かを判断します。身強・身弱というのは、日主のエネルギーが相対的に強いのか、弱いのかといった四柱推命上の指標で、この指標を元に用神や喜神・忌神を出していきます。松田さんの日主は庚金ですが、地支には木や火が多くあります。木や火は、金と相剋する五行ですから、日主のエネルギーを弱めます。また、天干にも水や火があり、金を生助する土や金が一つもありません。このため、松田さんは身弱である可能性が高いといえるでしょう。つまり、火が忌神であるということです。

ただし、時柱が分かりませんので、絶対に火が忌神であるとはまだ言えません。このため、松田さんが倒れた時刻のエネルギーを見て、さらに洞察を深めていきます。

松田直樹さんが倒れた2011年8月2日9時58分の八字

時柱 日柱 月柱 年柱
天干 己(土) 己(土) 乙(木) 辛(金)
地支 巳(火) 丑(土) 未(土) 卯(木)

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見ると土のエネルギーが強い時期ですが、注目すべきは「未」という干支です。この未は、松田さんの命式の地支にある巳・午と団結して火の方合というものを形成するのです。方合は最も強い合ですので、この【乙未】の年は松田さんにとって非常に火のエネルギーが強まる時期でした。そして、季節としては夏が最も火のエネルギーが強まりますので、この年の夏は松田さんにとっては脅威の年であったのです。このことから、松田さんの喜神が土と金であり、忌神が木と火であることは間違いなさそうです。

そうなると、やはり火のエネルギーが強い【松田直樹】という姓名は、いくら姓名的には大吉名でも、火が忌神の松田さんにとっては凶名となります。そして姓名のもつ強い火のエネルギーが、忌神の火をさらに強めた結果、早世という暗示があらわれたものと考えることができます。前述したように火は「心臓」を象徴しますので、「心筋梗塞」という病気にも合致しています。

泉政行さんの場合

35歳という若さで亡くなった俳優の泉政行さんは、四大運に吉数、三才も万全の大吉配置を有しています。単純に名前だけの運勢を見ると、画数の取り方が間違っているのではないか?とか、姓名判断は全く当てにならないのではないか?といった疑惑の念が頭をもたげてきそうですが、これも泉さんの先天運をうかがうことで明瞭となります。

以下は、泉さんの生年月日を干支に変換した『命式』というものです。

泉政行さんが生まれた1980年5月12日の命式

時柱日柱月柱年柱
天干乙(木)辛(金)庚(金)
地支酉(金)巳(火)申(金)

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四柱推命に馴染みのない方のため、()内に五行を書き入れました。ただし、地支は蔵干といって複数の干を含むことがあるため、地支の()内の五行は本気と言って、その地支の中で最も強い影響力をもつ五行を書き入れています。例えば『巳』は夏の地支で本気は火ですが、内に金や土も含んでいます。命式の中心的な存在は日柱の天干にある『乙』という干であり、これが泉さんの生命力の核とも言えるもので、これを日主と言います。

見ると、日主は乙(陰木)ですが、周りには金が多くあるのが見て取れます。金は木を剋す五行ですので、日主のエネルギーをひどく弱めています。このように日主を剋す干を『官』と良い、正官・偏官の区別がありますが、概して官が多くあり過ぎる場合は身弱の官多となり、病弱・病難傾向となります。月支の巳は火の地支ですが、酉と金局半合して金のエネルギーを強める働きがあります。時柱が分からないため具体的な判断はできませんが、年支に巳と支合となる申があるため半合とはならないでしょう。このため格は普通格となる可能性が高いです。普通格ですと官多身弱ですので、金を忌みます。

ただ生まれた時間が分からないため喜神・忌神は推測の域を出ません。ですからこのような場合は、泉さんが難事に遭った時刻や死亡した時刻などをうかがい、喜神・忌神を推測します。彼のウィキペディアには『2012年頃に体調を崩し、以降は体の調子を見ながら仕事を続けていた。晩年は病気療養のため入退院を繰り返していたが、2015年7月28日、都内の病院で死去。35歳没。』とあります。死亡時の四柱を見てみましょう。

泉政行さんが亡くなった2015年7月28日の四柱及び大運

時柱日柱月柱年柱大運
天干乙(木)癸(水)乙(木)甲(木)
地支巳(火)未(土)未(土)申(金)

(※大運とは10年毎に訪れる運勢のことで、非常に強い影響力をもっていますが、ここにも金があらわれています。)

天干には水や木など、日主を生じ助ける五行が揃っていますが、地支には日主を弱めるものが揃っています。概して天干より地支の方が影響力が強いため、日主は土・金を嫌うことが推測できます。官を忌神とする場合は、用神(日主にとって最も大切な干)は水となりますが、上記四柱では水が土に剋されて無力となっています。このことから、泉さんの忌神は金・土、喜神は水・木、閑神は火であることが分かります。閑神は喜神でもなく忌神でもない中間的な存在のことですが、この場合は火は忌神の金を剋すという点では良いものの、日主・木の働きを弱めるという点で悪い作用があるため、閑神と言えます。しかしながら、泉さんの場合火は喜神の作用の方が強いと言えるでしょう。

さて、これを踏まえた上で改めて『泉政行』という姓名を見てみましょう。人格の18数・陰金は忌神、外格の7数・陽金は忌神、地格の15数・陽土は忌神、総格の24数・陰火は閑神、天格の10数・陰水は喜神ということで、姓名には忌神ばかりです。すなわちこのように忌神ばかりが姓名に配されていると、先天的な忌神の働きを強めることになりますから、病弱・病難暗示が強まります。最悪は寿命が縮まるため、早世となることも少なくないのです。

それでは、泉さんに最良の名とはどんなものでしょうか?これは簡単です。喜神が木・水ですから、これらの五行を姓名中によく配せば良いのです。反対に言えば、忌神の金・土の五行をなるべく入れないようにすれば良いのです。例えば『泉⑫⑩』という姓名が考えられます。前運に凶数が入っていますが、五格すべてが喜神となったため、『泉政行』よりは確実に運勢が向上します。もちろん喜神の働きが活発となり心身共に壮健となりますから、寿命も延びます。

今井雅之さんの場合

俳優の今井雅之さんは四大運全て吉数、三才配置も吉と概して良名の持ち主です。しかし大腸ガンのため54歳という若さで亡くなりました。姓名だけを見ると何で?と疑問が湧いてきますが、それは彼の先天運を知ることではっきりとします。今井さんの生年月日は1961年4月21日ですが、これを命式(生年月日を干支に変換した図)に移したものが以下です。

時柱日柱月柱年柱
天干甲(木)壬(水)辛(金)
地支申(金)辰(土)丑(土)

四柱推命ページで見る

上記が今井雅之さんの先天運です。生まれた時間が分からないため時柱は「?」としています。赤い字の「甲」が今井さん自身をあらわしています。また、分かりやすいよう()内にはその干支の主な五行を書き入れました。

ご覧の通り、四柱内には土と金が二つずつあり、水は一つ、木は一つです。今井さん自身をあらわす甲(木)を助けるのは月干の壬(水)ですが、後はすべて木を弱らせる土と金で構成されているため、日主は弱っていることが分かります。厳密には月支の辰や年支の丑も水の気を含み、木を僅かながら助けているのですが、辰は土旺の時期ですので土・金のエネルギー強と見ます。しかし、時柱が分からない以上予測に過ぎませんので、実際に今井さんが亡くなった時の四柱を見た上で判断しなければなりません。以下です。

今井雅之さんが死亡した2015年5月28日午前3時の四柱及び大運

時柱日柱月柱年柱大運
天干丙(火)甲(木)辛(金)乙(木)丁(火)
地支寅(木)辰(土)巳(火)未(土)亥(水)

この時刻は今井さんにとって最も重要な五行である水の五行がとても弱く、からからに渇いています。かろうじて大運の地支に『亥』の水がありますが、あまり力になりません。この時今井さんの月柱天干にある『壬』やそれを生じる金の五行が救いですが、これは『丁』や『丙』の存在によってとても弱められ、結果的に強まった火・土によって燃やし尽くされます。つまりはこの時刻、明らかに火・土が強まっているため、やはりが今井さんは身弱であると考えられます。

このことから、今井さんの喜神は水と木であると考えられます。そしてこのことを踏まえた上で再び今井さんの姓名に目を向けてみると、人格は16数の土、地格も16数の土、外格は8数の金、天格は8数の金、総格は24数の火と、その多くが今井さんにとって悪い五行で占められていることが分かります。特に重要な人格・地格に最も忌神である土が来ていますから、これでは幾ら「今井雅之」が良名であっても、先天運との相性が悪いため悪運を招くことになります。次は今井さんにとっての最良の名前を考えていきます。

今井雅之さんにとって最良の数配置を考える

上記の喜神・忌神を踏まえた上で今井さんにとっての最良の数配置・名前を考えていくのですが、まず「水」の五行は9・10・19・20と概して凶数ばかりであるため、これらは使うことが出来ません。29数や39数ならば使うことが出来るのですが、これだと「今井[25][12]」のように吉名は出来ても、名頭の数が25というのは現実的ではないため、名付けには使えないでしょう。そして「今井」の姓は8数の金ですから、相剋の関係となる木の五行も人格に用いることは出来ません。

そうなると今井姓では水・木の五行を人格に入れることが難しいため、できるだけ忌神の五行を排除するという消極的な方法になります。出来上がった数配置が「今井 [12][25]」というものです。(鑑定画面では都合上三文字名になっています。)これは主運と総運に今井さんの嫌う土の五行があるものの、三才を【金・土・金】としてできるだけ土の気を逃がすようにしました。また、外格には彼の喜神である強い水があり、これも力強い存在です。このため、本名『今井雅之』よりは確実に良運を発揮し、もし今井さんがこの数配置の名前であったならば、きっともっと長生きをしたはずです。

石原裕次郎さんの場合

生前、怪我や病気が絶えなかった石原裕次郎さんは、1934年12月28日午前8時の生まれだそうです。これを八字であらわすと以下のようになります。

時柱日柱月柱年柱
天干
地支

四柱推命ページで見る

日柱の天干にある「癸」が日主で、これは石原さんの核となるエネルギーをあらわしています。まず、用神・喜神を知るためには、日主の癸が強いのか弱いのかの判断をしなければいけません。日主を助けるのは、日支にある「酉」と月支にある「子」の計2つであり、特に月支の「子」は日主にとって強い助けとなります。しかし、酉と辰は支合の関係であり、この場合は合去となりますので金の助けを得ることができません。

このためプログラム判定では平となっているものの、身弱と判断できます。(体が弱いといった意味ではなく、四柱推命上の概念であり、日主の強弱を身弱・身強に分けて考えます。)そのため、石原さんは「金」と「水」の助けが必要なことが分かります。もし流年や大運で「金」や「水」が弱まれば、悪い事が起きます。実際に、石原さんが亡くなった年月日時の八字を出してみましょう。

石原裕次郎さんが死亡した1987年7月17日午後4時の八字及び大運

時柱日柱月柱年柱大運
天干
地支

明らかに火が強くなっているのが見て取れます。大運の地支にある「巳」は強い火、死亡時の天干に三つあらわれている「丁」というのは陰火です。地支には火を燃やす「卯」が二つもあり、月支の「未」も火を蔵しています。大運天干には水を生じる「辛」がありますが、これは強い「丁」によって無力と化しています。火は金を剋すため、石原さんにとっては悪い五行です。また、火を燃やす木も石原さんにとっては悪く、これらを忌神といいます。つまり、石原さんの名前には土・火・木の五行はなるべく入れず、金や水の五行を入れる方が好ましいということです。

石原裕次郎さんにとって最良の数配置を考える

ここで改めて、石原さんの名前を見てみましょう。石原裕次郎です。見ての通り、主運・前運は共に石原さんにとって忌神の火となっており、それが中心運である主運にあるためこれは良名だとは言えません。また前運にも火があり、火が重なっているため「急変病難」の暗示があります。もちろん、この名前だからこそ「石原裕次郎」として成功したという側面はありますが、幸福な名前を付けるという観点からは望ましくありません。石原さんにその先天運を考慮した最も良い名前を付けるという場合には、以下のような数配置が望ましいでしょう。

石原⑧⑧です。主運は18数であり、これは石原さんの喜神である金です。またこの金は天格・地格上下から生じられているとても強い金なので、心身ともに充実し健康運も当然良いものになります。天格・地格に忌神の土がありますが、これは人格・金を生じるためむしろ力強い存在と化します。さらに外格・総格には石原さんにとって良くない木と火がありますが、姓名全体として見れば金・土が強くなっており、「石原裕次郎」と比べれば格段の違いがあります。

さらに「金」は死に際して最も強いと言われるため、先天的にやや運勢の弱い石原さんには最適です。「石原裕次郎」の三才配置である【土・火・火】は「一時的成功に終わり、最悪は短命となる」暗示です。これは火がそれだけでは耐久力のない性質であり木を必ず必要とするのですが、天格は土・地格は火であり火勢は一時的なもので持久力がなく、早くに燃え尽きてしまうという暗示があるからです。また火は石原さんにとって悪い五行でした。火は強すぎれば急躁・短気・忍耐力無しなどの悪い面が出ますが、石原さんはこのような状態であったと見ます。

ですから、もし石原裕次郎さんの名前が上記の数配置であったのならば、52歳という若さで死ぬことは無かったでしょう。もしかしたら兄であり最高の良名をもつ石原慎太郎さんのように長生きしたかもしれません。

以上、「先天運から最良の数配置を導きだす方法」でした。