姓名判断の虎の舞は、五格剖象方を基本とし、姓名の根幹である「天・人・地」三才を重視する姓名判断サイトです。

読み仮名の『音』が性質や運勢に与える影響についての考察

姓名において気質や運勢を左右するのは五格の数のみではありません。今回は読み仮名の音における成功運について解説したいと思います。

『音』には気質や運勢が宿っている

まず認識しなければならないことは、姓名を構成する音には、それぞれに固有の性質が備わっているということです。これは姓名が一つの生命体であるとすれば、五格を構成するのが分子、さらに分子を構成する文字や音は原子であり、そんな原子一つ一つにも特性があるという意味になります。

今回はそんな姓名の構成要素のうち、音の部分である『読み仮名』にスポットを当てて解説をしてみたいと思います。

たとえば同じ画数でも、『あおやま たかし』と『あおやま こうし』であれば、気質はかなり異なってくるのです。具体的には、『た』が火性で明るく勢いの強い音であるのに対し、『こ』は木性で比較的大人しく消極的な傾向があり、これらの特性が相交わりその人の性質となって顕現するためです。

これに加え、音も数と同じく五行に分類することができ、これによって五行の相生・比和・相剋関係を見ることができるのです。そうなると、たとえ名前に『た』という勢いの強い音があっても、その後が水性の音だと『た』の強さが抑制されてしまうことになるでしょう。

反対に『た』の前後が木性の音の場合はどうでしょうか?この場合は当然火が木によって生じられるため、火の気質が全面に出てくることになるのです。

ということで次は、音を五行に分類するということを見ていきます。

『音』を五行に分類して考察する

現在のように五格による占い手法が完成していなかった昔の姓名判断では、主に文字の音から吉凶を占っていました。具体的には『青(金)山(金)昂(木)史(金)』のようにそれぞれの文字に対応する五行を導き出し、これを元に吉凶を占っていたのです。

上記の五行割り当てを見ると、あたかもその文字に備わった五行を導き出しているかのようですが、実はそうではなく、漢字の読みに対して五行を割り振ったものです。つまり、『青(セイ)金性』『山(サン)金性』『昂(コウ)木性』『史(シ)金性』というように、まず文字を音読みに変換してから、その頭文字が属する五行を当てるという結構面倒くさいことをしていたのです。

その後、『文字をすべて音読みに変換するのはおかしい』『吉凶は読み下しの音で判断すべきだ』といった批判があり、読み仮名の音をそのまま判断する方法へと変わっていきました。

ちなみに、それぞれの音が属する五行はかなり昔から定まっていたようであり、この原初がいつ頃なのかというのは定かではありませんが、現在の姓名判断の礎を築いた熊﨑健旺氏の時代(明治時代初期~)には既に確立していました。

以下に、音と五行の対応表を掲載しておきます。

五行
属する音カ行タ行・ナ行・ラ行ア行・ヤ行・ワ行サ行ハ行・マ行
性質静穏・実直・剛毅陽気・活発・短気温和・度量・泰然剛直・鋭利・怒気俊敏・淡泊・柔軟

とこのような分類となります。以上を見ると五行に対して音が不均衡に割り当てられているので不信に感じる方もいるかとは思いますが、一応このような割り振りには根拠があり、それについて以下に解説してみたいと思います。

  • 木性の音 - カ行の音は発声してみると明らかですが、とても硬質となります。ただしサ行のような甲高い金属的な響きではなく、発音してみると少し柔らかみを帯びていることが分かるでしょう。この音の感じを五行に照らしてみた時、カ行の適度な硬度と心地よい響きが木のもつ性質を喚起することから、木性に分類されています。
  • 火性の音 - タ行・ナ行・ラ行は、ともに舌を打って発音することから舌音と呼ばれており、熱く激しい印象をもちます。この発音した時の音調が、火炎が燃え上がるような爆発的な印象をもつとして火性に分類されています。そして実際に火の音を多くもつ人の性格は、短気で爆発的となるのです。
  • 土性の音 - ア行に属する音は母音と言われ、その音はとても重厚な重みを伴っています。また母音は芯となる中心的な音ですから、必然的に土に分類されてきます。土の五行は五行の真ん中に存在し、『中心』という意味があるためです。そして、ヤ行・ワ行の音はア行に酷似することから土の属性となっています。
  • 金性の音 - サ行の音は発音する際、ある程度歯を閉めた状態から鋭く発声をします。このため、サ行の音は非常に硬質な印象を伴い、これが金属の摩擦音を想起することから金性に属するものであります。金は激しいが温かみをもつ火の音とは対象的に、とても冷たく鋭い印象を与えますが、このような音の印象がそのまま気質の傾向となるのです。
  • 水性の音 - マ行・ハ行の音はとても柔らかな印象がありますし、これら水性の音は五行中最もサラッとしていて力が抜けています。それはまるで透き通った水の如くであり、こだわりのないサッパリとした印象があり、水性に属するものです。

このように、単純に見える分類にも実は奥の深い理由と根拠があり、音が性質傾向を左右する所以です。音はそれぞれ固有の性質を備えもつため、姓名の『読み・音』も当然その人の性質傾向や印象を左右することになるのです。たとえば、『たなかりな(火火木火火)』という人は大変火が強いため短期でせっかちな傾向となりますし、『すずきしんじ(金金木金金)』という人は金がとても強いため冷淡で自我が強い傾向となります。

それでは、同一五行を強めすぎた時に生じるマイナス点についても見てみましょう。

木が強すぎる場合 真面目で実直ですが、剛毅・剛直・頑固に過ぎ融通が利かない傾向となります。また、神経質で怒りやすい性情となります。
火が強すぎる場合 感情の起伏が激しく荒っぽい性格傾向となります。また、性急かつ短慮な傾向強く、根気・忍耐力が弱くなります。
土が強すぎる場合 温和ですが鈍重タイプとなります。行動力や覇気がなく、やる気に欠ける面があります。また、知力が低い傾向となります。
金が強すぎる場合 豪胆にして攻撃的な面があり、いわゆるドSと言われるタイプとなります。自我が大変強いため批判も意に介さず、独断的な面があります。
水が強すぎる場合 頭の回転は非常に速いですがクールに過ぎ冷淡な傾向となります。優秀ですが、協調性に欠け、人を見下す傾向にあります。

このため、やはり音においてもバランスが重要ということになります。

『音』の強弱5分類と気質に与える影響

さらには、音(母音)には5段階の強弱があり、これも気質に強い影響を与えるものです。次に紹介するのは強弱のタイプです。

母音
強弱数値02-21-1
性質中性的積極的消極的やや積極的やや消極的

強弱数値は母音を元に判断します。それぞれの音を発音した時の口の動きに注意すると、強い音ほど口角が横へと開いていくことがお分かりでしょう。そして発したその音の印象は、やはり強弱数値がプラス方向へ強いもののほうが鋭く強い印象を与えます。つまり、『い』の音が最も強く、『う』の音が最も柔らかい性情となるのです。

そして『あ』の音は数値0、つまり中心となる音ですので、発音する時の口の開き具合もちょうど中間となるのです。

このように、音を五行と強弱の二面から見ることによって立体的にとらえることができ、実際にこれはその人の性質傾向をよくあらわしているのです。たとえば、『ふかだきょうこ(-6)』であれば柔らかい音・響きですので温和な性情となることが分かりますし、『さわじりえりか(+7)』であれば強い音が多分に含まれていますので自然と鋭い性格になってきます。もっとも、沢尻さんの場合は五格数も剛毅な傾向ではありますが。

しかし、このような音の特性を知るだけでも、名前(読み仮名)を聞いただけでその人が大体どのような性格なのか分かってきますので、皆さんも是非活用してみてください。外見からではなかなか分からない、その人の隠された気質が見えてくるでしょう。

気質を最も強く左右するのは名頭の『音』

ところで、その人の性質傾向を最も大きく左右するのは名頭の音です。これは、姓名において人格部がその人の性質を象徴することと似ており、その人の性格傾向を象徴するものになります。

ですから、『まさお』という名前であれば「ま(水)」の気質が最も強くあらわれますし、『ゆきな』という名前であれば「ゆ(土)」の気質が最も表面にあらわれ出ることになるのです。

たとえば、『し』の音は金性であり剛毅・強情、さらに金のなかでは最も強い音ですので、名頭に『し』が付く人は自我が強く人に対する好き嫌いが激しいタイプとなる傾向があります。例としては『さかがみ しのぶ』さんや『しまだ しんすけ』さんがいます。ただし『しゅういち[金(土)土土火]』などの場合は土優勢となるため、むしろ温厚な傾向となることが分かるでしょう。

そして、ここで無視してはいけないのが音の相生・相剋関係です。人格部においても相生・相剋が性情に大きな変化を与えるわけですから、音であってもこれは同じです。つまり、当然相生・相剋によってその音がもつ気質が化学変化のように変わるというわけです。

前述した名前でいえば『まさお(水金土)』は土->金->水と順に相生されるため「ま」の気質が非常に活きてきますが、『ゆきな(土木火)』は木剋土となっているため「ゆ」の気質が弱まります。具体的には、「ゆ」の音は本来温和で丸みのある気質ですが、木に剋されるため怒りっぽい傾向となるでしょう。

このため、やはり五格や三才と同様、音(特に名頭)についても相剋しないほうが気質が素直・温和な傾向となるため福運にも恵まれやすくなり、良いのです。当然対人運においてもこれはプラスとなります。ただし読み仮名の音まですべて気にしていると本当に大変ですので、通常の名付けでは名頭の音のみ気をつけるということでも良いと私は考えています。

成功運の強い『音』

最後に音がもつ運勢について解説をしておきたいと思います。実は音そのものにも運勢が強いものとそうでないものとがあり、これを知っておくと名付けにも大いに役立つでしょう。以下は、特に成功運が強いと言われる音であり、ビジネスネームなどにおすすめとなります。

『あ』は最も成功運が強い言われる音です。性質的にもとてもバランスが良く、度量・積極性・知力を兼ね備えており、決断力と行動力に秀でるためリーダー格となります。名付けにおいては男女ともに良いですし、事業としても成功運が非常に強いでしょう。企業の例としては『アマゾン』『アップル』『アリババ』などその業界のトップに君臨する傾向があり、姓名においても名頭が『あ』の人は行動力があるため社会的な成功運が強いのが特徴です。男女ともに吉ですが、女性においては少々気質が男性的で強めとなります。
『ま』は水の音のなかで最も成功運が強い音です。『ま』は『あ』ほどの積極性はありませんが、とても知力に秀でており、水特有の柔軟性があって人気運が強いのが特徴です。企業としては『マイクロソフト』『マクドナルド』など、また人物としては『マリリン・モンロー』さん、『マイケル・ジャクソン』さんや『マドンナ』さんなど、こちらも『あ』と並ぶほどの強い成功運を有しています。特徴としては協調性高く人徳運がありますので、男女ともに大変良く、基本的な性情も穏やかで物腰が柔らかい傾向となります。
『ひ』の音も水性に属します。『ま』と比較すると発音した時の印象も随分と異なりますが、やはり強い音ですのでその気質も強く積極果敢、また知力に大変秀でており、鋭角的な才能を現出する傾向のある音です。人物としては『ビルゲイツ』さん、『ビートたけし』さん、『宇多田ヒカル』さん、『ビヨンセ』さんなど才知鋭敏となることが特徴であり、感性が鋭いため芸術方面にも強いです。ただし人物としては鋭い知力をもつだけに少々癖が強くなる傾向が男女ともにあります。
木の音で最もおすすめしたいのは『か』の音です。木性ですので非常に芯が強く実直で剛毅なところがありますが、母音『あ』ですので適度な冷静さと度量があり、このバランスが強い成功運を生み出します。『か』の人は外見は静穏ですが、内面はとても勝ち気で自尊心が強く、とても頭がいいタイプです。人物には『稲盛和夫』さん、『カニエ・ウエスト』さん、『ガクト』さんなどいますが、洗練されていて少々硬い雰囲気をもつのが特徴です。もちろん企業名としても吉です。

以上少しだけ解説致しました。より詳しく知りたい方はこちらの 【虎の舞 音バージョン】でも解説していますのでよろしければご訪問ください。

命名における『音』の選び方

最後は命名における音の選びかたについて解説してみたいと思います。通常は『自分の気に入っている音』や『気に入っている漢字』から読み仮名を定める傾向がありますが、私の場合は『自分がなりたい気質・性格傾向』を明らかにし、それに適した音を選ぶという方法をとります。

既に解説をしましたが、音そのものにも固有の性質や五行がありますので、それを理解した上で名付けを行うことにより、命名された者は自然とそのような気質を備えるのです。以下は、気質別に音の傾向をまとめたものです。

  • しっかり者で理性的なタイプ - これには木や金の音が当てはまります。特に読み仮名において木や金ばかりの場合は非常にクールで理知的となりますが、やや面白みに欠けたり、剛毅に過ぎるためバランスが重要です。
  • 優しくて温和なタイプ - この場合は土の五行をメインに用います。また、音の強弱についても弱めの音(う、お、よ)などを多く用いると良いでしょう。また、水の音も「ま」や「は」は柔和な傾向となるためおすすめです。対して金の音は鋭い気質となるため、温厚さを重視する場合は避けた方が良いでしょう。
  • 廉直で剛健なタイプ - 金の五行は五常にて『義』を象徴し、とても廉直で職務などに忠実なタイプとなります。また非常に剛なる気質をもちますので、数・音ともに金をメインに構成することで気質は大変強く剛健となります。ただし反面、金は冷淡で攻撃的な性情もあわせもちますので、金を強めすぎることは注意が必要と言えるでしょう。
  • 明るく活発なタイプ - 火の音を強くすると、明るく活発で行動的タイプとなります。これは火が「笑」を象徴するためです。ただし火が強すぎたり、水と相剋したりすると慌て者で短気な性情となるので注意が必要です。概して火は、木や土の音とあわせるとバランスが良くなります。
  • クールでサバサバしたタイプ - この場合は五行とともに強弱数値を考慮します。サバサバ系の五行は金と水であり、なおかつ強弱数値を強めに設定すると非常にクールかつサバサバしたタイプとなります。例としては『サ(金0)エ(土1)ジ(金2)マ(水0) ミ(水2)キ(木2)+7』などがこれに当たります。
  • 頭の回転が速い理知的タイプ - 水は智恵を司るため、水の音が強い人は知力に優れる傾向があります。特に「ひ」「み」「ま」「は」などが名前によく用いられますが、相剋があると水のエネルギーはとても小さくなるため注意が必要です。

このように命名においては五格の配置だけではなく、音のバランスも考慮することで気質についてはより自分の理想に近づけることができるでしょう。

この時、気をつけるべきは音の相生・相剋・比和関係です。皆さんも既にご存じのとおり、相生・比和関係はその音のエネルギーを強めますが、反対に相剋する場合はその音のエネルギーを弱めるため、たとえ希望の音を名頭に配したとしても、相剋があると活きないという結果になってしまうのです。このため、名頭の音はできる限り相生もしくは比和の関係とし、その音のエネルギーを高めてあげるように配慮すると良いでしょう。

なお文字の意味というものは全くその者の気質には影響してこないから面白いです。たとえば「虎男(とらお)」という名前はいかにも強そうではありますが、音を精査してみると「と(火-1)ら(火0)お(土0)-1」となり、火と土で構成されなおかつ数値がマイナスとなるため温和でやや消極的タイプとなることが分かります。

しかしこれを「虎児(とらじ)」とすると、「と(火-1)」「ら(火0)」「じ(金2)+1」となるため俄然気質が剛へと変わります。また火金の相剋がある人は、とても剛毅で短気な傾向となります。

またこのような音の霊動は、人名だけではなくペットの名前などあらゆるものに対して働きますので、どのような命名であれ安易に行うことはできないのです。