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家族間で同じ画数(同格同数)だと運勢が悪くなる?【姓名判断迷信シリーズ1】

最もよくいただくご質問やご要望のひとつに、『家族間で同じ画数だと運勢が悪くなると聞いたことがあります。これは気にしなくても良いのでしょうか?』というものがあります。最近、このような質問をお客様からよくいただくため、今回回答の意味も含めて記事にしてみました。

これは、ある特定の格のみ同数であるのか、あるいはすべての格が同数であるのかという違いはありますが、概して『特定の格に同数がある場合は該当する』としている流派が多いようです。

今回は、この家族間における同数を忌むということについて、少し詳しく考察してみたいと思います。

なぜ家族間のみ同数だとダメなのか?

この理由については諸説あるようですが、概して『家族間で同格同数があると、同じ運勢となるため、奪い合い・対立・衝突的暗示となる』というものが多いようです。これは、後に解説する同格同数理論と同じ土台にあるのですが、それを家族間にまでもってきたということです。

そもそも同数が悪いということ自体が大きな間違いなのですが、これが色んなところに派生して、不幸な人や無知な人達を脅かしていることは非常に遺憾だと思います。なぜなら、そのような間違った考え方・手法で命名を行えば、往々にして凶名(生命力や運勢の弱い姓名)となることがあるからです。

この同格同数問題については、ちょっと落ち着いて考えれば『何で?だってそんな人沢山いるじゃん。そういう兄弟がみんな不幸になっちゃうの?』とその矛盾にすぐに疑問が沸いてきそうなものですが、やはり現在不幸の真っ最中の人や、姓名判断や占いについて無知な人はこういうことを聞くと思考停止に陥ってしまうようです。

それでは、まずは同格同数の洗脳を解くために、同格同数問題の根本的なところから見ていきましょう。

同格同数でも運勢は同一にならない理由

家族間で同格同数があると、運勢が同じになるからダメ。そうなると二人でポジションの奪い合いになったり、対立するからダメというようなことを聞いたことがありますが、本当でしょうか?

そもそも、姓名だけで運勢が同一になるということがあり得ません。運勢・気質というものは先天的要素(生年月日時から見る。遺伝的要素もうかがう)・後天的要素(大運・姓名・環境等)あるため、名前(画数)だけが同じだからといって運勢は同一にならないのです。そして、運勢とは生命エネルギーの発現ですから、当然気質・体質も異なってくるのです。

したがって、姓名の構造が全く同一だったとしても、気質や運勢は当然同じにはなりません。すなわち上記の理論はそもそもの前提が間違っているためここで話を打ち切っても良いのですが、それだと恐らく消化不良に陥ってしまう人もいると思うのでもう少し続けてみましょう。

そもそも同格同数占いが信用に値しない理由~同数がダメだという根拠のない迷信は明治時代からあった?

そもそも、同格同数がダメだ!凶だ!というのはどこから来たのでしょうか?この根源を辿るのは極めて難しいですが、昔の書物を読むとこの同数問題の根源をうかがうことが出来ます。

たとえば、以下の書籍は大正2年発行の【命名真理 姓名判断 [林充著]】というものですが、この本にこんなことが書かれています。※()内に注釈をいれています。

天地の衝突(天格と地格が同数である場合のこと)は一層甚だしく折角得たる財宝名誉を一朝にして失うか目にのみ見えて手に取れぬ、所謂宝の山に入りながら手を空しふして帰るの運格で、一家の平和を欠き、争論多く他人と共同的に成功する事の出来ぬ運格である。

とこのようにあり、天格と地格が同数であることを忌む、と断定しているのです。まさに同数凶理論です。これは大正2年の本ですから、明治時代からこのような考えが存在していたことは明らかと言えるでしょう。

しかし、この本も含め、重要な根拠となる『そもそも、なぜ同数を忌むのか?』といったことには全く触れられておらず、不明なのです(私の推測ですが、おそらく本人もよく分かっていなかったと思います)。

次に、同数の意義について見ていきたいと思います。

同数は対立関係ではなく、幇助(助け合う)の関係

また、それ以上におかしなことには、陰陽五行理論の方では、同数(同一の五行)を忌むというような考え方は一切ないことです。姓名判断は概して、中国で生まれた陰陽五行論を元に発展してきたはずなのですが、その大本に『同数(同一五行)を忌む』という理論は皆無なのです。

総じて陰陽配置の占いもそうなのですが、日本では昔から、陰陽五行論を都合の良いように解釈してしまう傾向があり、同格同数はその最たるものと言えるでしょう。その考え方の根源は、おそらく同数は同じ陰陽となるので、配合が悪い(陰陽配置の考え方と同じ)、つまり凶暗示だ!という非常に短絡的な発想だと推測しています。

ところがむしろ、陰陽五行論では同一五行は幇助の関係であり、互いに助け合う・援助するといった意味合いがあるのです。なぜなら、同一五行・同数であるということは、同じ性質(エネルギー)であるということなので、同質互いに補い合う・助け合うと考えるのです。これは例えば、火は、同質である火を用いることでさらに強められる、助けられるといったものです

つまり同数の意義は、一般的に同数凶理論で言われている『対立・衝突』とは真逆になるということなのです。

このことから、直感的に同数であるということはむしろ好ましい傾向があるのではないか?と考えるのが普通ではないでしょうか。

相性だけで見れば、むしろ家族間の同格同数は好ましい

それで家族間の同格同数の問題に戻りますと、相性関係だけを取り上げれば、むしろ同格同数であることは好ましいのです。なぜなら、たとえば人格が同じ数であるということは、姓名における気質が同一(あくまで人格のみでは)であるということなので、互いに理解をしやすい、また互いに助け合う気運が生まれるからなのです。

対して、人格が相剋関係となることによって、どうしても基本的な性質が異なってくるため、気が合わないと感じたり、理解されないと感じたりすることが起こります。もちろん相性というものも姓名だけではなく、先天的要素も含むため姓名のみで断じることはできないのですが、概してそういう傾向が出てくることはあるのです。

このため、家族間の同格同数は全く忌むものではなく、むしろ先天運とのバランスが取れていれば大いに歓迎すべきものと言えるでしょう。

ちなみに私の家族の中では同格同数が多数いますが、これも以上の考えに基づいてのことです。結果として、家族間は非常に仲が良く、和気藹々としており、対立傾向などというものは一切ないのです(もちろん、小さな争いや喧嘩といった些細なことはありますが、『一家の平和を欠き』などということは全くないのです)。

占いにおける洗脳の常套手段~心配症な人を陥れるあれもダメこれもダメ

それから最後に、占いにおける洗脳の手段ということについても言及しておきたいと思います。占いというのはその性質上、どうしても不幸の人を騙す手段として用いられることが多いことは、皆さんもよくご存じのことと思います。つまりは、金儲けのみを企む占い師がいるということなのです(はじめは真摯に取り組んでいても、そのうち金儲けに傾く占い師もいるでしょう)。

そこで本物と偽物の見分け方としましては、まず色んな占い手法を用いているところはまず怪しいと考えていただくと良いでしょう。なぜなら、『多くの人に当てはまるほど不幸の人を騙しやすくなる』からです。たとえば同数問題などは、非常に多くの人に当てはまります。このため、当然その不幸の人にも該当する可能性が高く、それが今現在不幸にある自分だと言い当てられると、どうしても信じずには居られなくなってしまうのです。

たとえば、忌み字・同格同数・陰陽配置・三才配置・吉数凶数・社会運・家庭運・内運などなど、これら全てが吉となる名前など実際にはあり得ないのですが、不幸の人にはそんな考えは及びません。そして、そのどれか一つでも悪いとそこを責めてきて、あたかもそれが原因で不幸になったかのような物言いをしてくるのです。すると、占いについて無知な人や、現在不幸の真っ只中になる人は理性を失ってしまうということになるのです。

それから、理論的根拠を示さない占い師も信用しないほうがよいでしょう。なぜなら、『同格同数などは理論的根拠がないため、説明したくてもできないから』です。このため、占い師に質問をしても怒ってきたり、全然見当違いな説明をしてきたりするものです。

つまりは、あれもダメ、これもダメと相手のことを否定することによって、思考停止とマイナスの感情に陥らせてから、その後に優しい言葉をかけてあたかも自分が救いの女神であるかのように思わせ、手中に収めていくというのが洗脳の常套手段となります。しかし、全然相手を騙すつもりはなく、単に根拠のない占い手法を信じているだけという占い師もいますので、注意深くその人の言っていることを考察することが重要です。

ちなみに『吉数や凶数だって、あんなもの理論的根拠なんかないじゃないか!』と言われればそれもそうなので、私も人のことは言えないと思います。