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忌字に凶暗示はない?文字のもつ意味が運勢に影響しない理由【姓名判断迷信シリーズ5】

【姓名判断迷信シリーズ5】として取り上げるのは忌字でございます。忌字というのは、その人の恐怖や不安に直接的に訴えることから、姓名判断においては無知な人を脅かしやすく、それによって広く普及したものであります。

それは画数という見えにくいものよりも、名前の漢字それ自体は嫌でも目に入るため、文字に凶意があると意識させたほうが人々の不安や恐怖を煽りやすいのです。不思議と悪い暗示をもつ漢字はよく出てくるのに、良い暗示をもつ漢字がほとんど出てこないのもその証拠です。

ただこの忌字というものもかなり古く(明治時代以前)からあり、やはり不吉な意味をもつ文字を姓名に使用することは道徳的に良くない、という命名における根本的な問題が最初にあったことは当然と言えるでしょう。

そして姓名判断においても、この【忌字】を利用(占いの手法に取り入れる)することによって、現在も色々なところで忌字が語られており、私のところにもよく質問がきます。ただ最初に言っておきますが、忌字に凶暗示はないのでご安心ください。

忌字とはなにか?

忌字(いみじ)とは、一般的には『名前に使ってはいけない漢字』とも言われ、人の名前に使用することによって不吉な暗示をもつ漢字(文字)のことです。

たとえば有名なもののなかでは、【幸】という漢字があります。【幸】はその字源が手枷をあらわすため、幸せではなくむしろ自由が束縛・拘束されるような状態となる、などというものです。

その場合、【幸】がもつ幸せの意味は無視されてしまうという、なんとも不合理な点があるのですが、要はその文字の原初的な意味が暗示としてあらわれるという考え方らしいのです。

他にも色々ありますが、この忌字というのは誰でも半ばコジツケで造り出すことができるため、かなり多くの種類があり、その全てを集めたとしたら、現代では名前に使える文字はほとんどないというくらいです(苦笑)。

しかし、忌字を姓名にもっていたとしても、恐れる必要はありません。次に、その理由について解説していきます。

忌字に凶作用がない理由

実は、姓名判断における忌字の問題はかなり古くからありました。その証拠に、現在の姓名判断の基礎を築いた熊﨑健旺氏もその著書で、忌字について辛辣に語っているからです。

そこでまずは、熊﨑氏の言葉を引用したいと思います。忌字について語っている部分を全て引用すると長くなりすぎて大変なので、重要な箇所のみ取り上げたいと思います。

要するに姓名学上においては忌字というものは、全くないのであります。ただ忌字という意味でなく人間の精神上または心理上、普通一般の心得として、神とか仏とかいう尊きものを汚してはならぬから、敬虔の至情よりこの種の文字を避くるとともに、穢いもの不愉快な文字、不吉な漢字を与えるもの、例えば尿だの、毒だの、陰とか、汚れとか、死、病、弱、哀、亡、敗、破という様な文字、あるいは戒名に用いるような仏くさい熟字などの良くないことは申すまでもありません。【姓名の神秘】

要するに運命を左右する力は数と音とにある。数と音とは大自然のもので、人為的でない。読み下しの意義は、人為的の解釈が多い、そこに融通が利くかわりに、絶対性がなく、作の是は今の非ともなり、従ってあまり色々に考えてくると、選名ができないようになってしまうのである。【神秘姓名判断決定編】

つまり熊﨑氏は何を言いたいのかというと、姓名における運勢の誘導力は、数と音(姓名の)に依るのであって、文字の意味や字源には何の影響力もないといっているのです(詳しく知りたい方は、熊﨑氏の著書を読まれることをおすすめします)。

なぜなら、文字の意味というものは人為的なものであって、人によって自由な解釈ができる。それは詰まるところ、結局はどんな文字も吉凶両面あるということであって、裏を返すと文字の意味には固有の性質はなく、したがって何かしらの定まった暗示力もないということなのです。

また字源についても同じで、絶対不変のものではないため、運勢には影響し得ないということが分かります(あったとしても、忌字の印象からくる関節的な影響力に留まります)。

たとえば【幸】のような文字がその典型ですが、結局はそのような意味解釈というものは自由な解釈が可能であるため、文字の意味には固有の性質(エネルギー)はないということが分かります。つまり字源的には手枷という悪い意味をもつも、現代では広く幸せの意があり、人々もそのように認識しているという点を排除することはできないと思うのです。

しかし、そんな揺れのある文字の意味に対し、数は絶対的な性質を有しています。言ってみれば、数(文字画数)は文字が有するエネルギーの符号であり、1なら1の、2なら2の、3なら3の性質を有しているということになるのです。

そして姓名においては、このような文字同士が組み合わさることによってエネルギーの構造が様々に変化し、これが人の性質や運勢に影響すると考えます。さらに数は五行という五つの元素(五行)に分類され、その元素同士の相生・相剋関係によって姓名のエネルギー構造を別の視点からうかがうこともできるのです。

ただそうはいっても納得できない人もいるかもしれませんので、次からは実例を見ていきましょう。

吉福ある文字を有するも、実際は波瀾万丈な人達

以下は、姓名に吉祥的文字あるも、波乱の人生となった二人の例です。

軽井沢スキーバス転落事故【福田万吉社長】

名前全体から福福しいイメージが充満する福田万吉社長ですが、軽井沢スキーバス転落事故を起こしたツアー会社「キースツアー」の社長です。姓名判断では、凶数がとても多く、気苦労の多い傾向が出ています。その外見も福福しい雰囲気ではありません。

なお名前に福・万・吉といった縁起の良い文字がならびますが、忌字説ではおそらくこのような字も悪い暗示をもつとコジツケられてしまうのでしょう。

スキャンダラスな女優【荻野目慶子】

女優の荻野目慶子さんは『当時の不倫相手であった映画監督が荻野目の自室で自殺』など、過去に2度派手な不倫スキャンダルを起こしています。『慶』の文字は慶事・慶祝などおめでたい意味がありますが、荻野目さんの人生はそれとはちょっと違うようです。

これはあまりにも多く、取り上げているとキリがないです。次は、その逆を紹介してみます。

凶兆ある文字を有するも、実際は強運な人々

現在は占い師や見る人の独断的な判断によって、非常に多くの漢字が『忌字』とされています。ここでは、その一部を紹介してみたいと思います。また、あわせてその漢字が姓名に使われているが、強運勢の方々についても紹介していきます。

忌字1【久】

【久】は『屍体を後ろから木で支えている形(白川静:自統)』とも言われ、不吉な文字だと言われています。他にも色々な字源説があり、いずれもあまり良い意味ではないようです。

政治評論家であった『三宅久之』さん(1930~2012:82歳没)は名に【久】の文字をもちますが、姓名の構造・バランス良く運気良好また長寿となる暗示があり、決して【屍】となる運命ではありませんでした。

忌字2【真】

【真】は『顛死の人をいう(白川静:字統)』とあり、非常に不吉な字としてよく紹介されています。この文字の字源は死者をあらわすため、短命となる暗示があるということでしょうか。

俳優の『山下真司』さんは名に【真】の文字をもちますが、姓名の構造概ね良く心身壮健となる暗示があります。先天運との五行バランスもよく、決して短命非業となる運命ではありません。

忌字3【幸】

【幸】は冒頭でも紹介しましたが、字源が手枷をあらわすとされ、むしろ『幸せにはなれない』という不吉な暗示があるとされています。

経営の神様とも呼ばれた松下電器創業者の『松下幸之助』さんは、名に【幸】の文字をもちますが、先天運および姓名の構造良く、強運また長寿となる暗示があります。全く【幸】の凶暗示などないのです。

忌字4【愛】

【愛】もよく取り上げられますが、『後ろに心を残しながら、立ち去ろうとする人の姿を写したものであろう(白川静:字統)』とあり、悲哀の意味があり、したがって薄幸な傾向があると言われている文字です。

卓球選手の『福原愛』さんは四大運吉数、また三才すべに火をもつ明るくエネルギッシュな気質で、強運を有します。離婚はしましたが、これは主運にある寡婦運数23の暗示であり、決して【愛】という文字の凶暗示ではないのです。

忌字5【央】

【央】は『人の首に枷(かせ)を加えた正面形(白川静:字統)』とあり、極めて不吉な字源をもちます。このような恐ろしい暗示が、この名前をもつと人生にもあらわれるのでしょうか。それが本当なら、相当強い凶暗示となるはずです。

元宝塚歌劇団所属の『大地真央』さんは月組トップスターや女優として大きな活躍をしました。この芸名は三才に相剋あるものの、四大運すべてに吉数をもち強い成功運を有しています。

以上は最も有名な忌字ですが、他にも沢山あります。これまで紹介してきたように、いずれも字源や意味がもつ不吉な暗示は、実際面にはあらわれない、つまりは凶暗示はないということが分かっていただけたかと思います。

ちなみに、【名前に使ってはいけない漢字などない!~文字の意味や字源が運勢に影響しない理由】という記事も書いていますので、興味のある方はどうぞ。