性格判断~先天運との関係編(高度な見方)
姓名判断における性格の見方については【姓名判断による性格判断】で紹介しました。まず姓名における基本性質についてはそちらのページでご確認ください。今回は先天運と姓名の関係における性情の見方・変化について解説したいと思います。
先天運において喜神か忌神かで性質傾向に変化が生じる
まず最初に重要な点として、同じ火の数であっても、それが先天的に喜神が忌神かで本人の性情にも変化が生じるということです。喜神・忌神とは何かについてはここでは解説致しません。私の運営している【四柱推命旺】などをご参照ください。
概して、その数が喜神であれば五行の良い面が、忌神であれば五行の悪い面が出やすいという事実があります。しかし喜神と言っても、どの程度の喜神であるのか?どの程度の忌神であるのか?といった喜神・忌神の中での【度合い】という側面もあり、どの程度そのような良い面・悪い面が出るかは先天運の構造によるとお考えください。したがって厳密な解説はここではできませんが、ざっくりと五行それぞれの良い面と悪い面について解説致します。
特に先天運において忌神が大過している場合の人は下記の傾向が強くでることになり、命式の五行バランスが良い人は忌神であってもほとんど悪い面が出ないということもあります。また姓名五格にどの程度その五行が配分されているかという問題もあります。木が忌神である場合、それが二格にあるのか、それとも四格にあるのか等ですが、当然多い方がその五行の影響・特性が出てきます。
木 | 木の良い面があらわれると堅実・実直・真面目・芯が強くブレが少ない・胆力がある・意志が強いといった傾向となります。木の悪い面があらわれると神経質・怒りやすい・偏屈・頑固・自身過剰で行動が伴わないといった傾向となります。 |
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火 | 火の良い面があらわれると明るい・社交的・弁舌に長ける・ポジティブ・行動的といった傾向となります。火の悪い面があらわれると短気・せっかち・毒舌・批判的・思慮が浅いといった傾向となります。 |
土 | 土の良い面があらわれると温和・円満・度量がある・協調性がある・リーダーとして有能といった傾向となります。土の悪い面があらわれると鈍重・愚鈍・鬱屈・考えすぎて結局何も行動できない・決断力がないといった傾向となります。 |
金 | 金の良い面があらわれると剛健・決断力がある・物怖じしない・意志が強い・指導力があるといった傾向となります。金の悪い面があらわれると傲慢・攻撃的・果断過ぎて失敗・冷たい・孤独といった傾向となります。 |
水 | 水の良い面があらわれると活動的・才知鋭敏・洞察力が高い・頭の回転が速い・柔軟性があるといった傾向となります。水の悪い面があらわれると悲観的・自惚れる・飽きっぽく何事も長続きしない・信念が弱い・直感だけで行動して失敗といった傾向となります。 |
つまり数由来の古い吉凶解説によれば、15数をもてばすなわち福徳円満・度量が大きく人運に恵まれるといった説明があるものの、先天運との関係において大なる忌神である場合は、上記で解説した悪い面が出やすいということになるのです。もちろんこれも忌神の度合いによるため、どの程度その傾向があらわれるかということは先天運の命式構造を見なければいけません。
概して巷の姓名判断では数のみで、五行視点を全く取り入れていないものが多いですが、私の感覚では五行思想を取り入れていない姓名判断では何も分からないといった印象をもっています。そのくらい五行視点は重要です。五行視点については先天運・姓名どちらも共通です。
なおもう一つの見方としては、喜神・忌神の見分けがつかないという方は、先天運を見て、その五行がどの程度の力量をもつかで判断するということです。たとえば先天運において火が強すぎる方の場合は、火の数を姓名に沢山入れることで火の悪い面が出やすいからです(稀に従格等で沢山あっても喜神となる人は例外です)。
先天運における生剋名の視点
次に、上記で解説した五行の特性に加え、生剋名の特性が性情に影響を与えることについて解説します。非常に高度な見方でややこしく感じられるかもしれませんが、相当の影響力があるため知っておいて損はありません。
四柱推命における生剋名とは、変通星と呼ばれることがあります(というかそちらの方が多いです)。これは日干視点で見ますが、日干が生じる五行を【食傷】、日干が剋する五行を【財】、日干を剋する五行を【官】、日干を生じる五行を【印】、日干と同一の五行を【比劫】と言います。厳密には陰陽の違いで偏財・正財(財)と分けられ、合計で10種あるものですが、生剋名の特性は主に5つにまとめられますのでこれを元に解説します。
ちなみに姓名上においても生剋名の概念がありますが、これについては先ほどあげた【性格判断】のページで解説していますのでこちらをご参照ください。これに先天運と姓名間での生剋名の関係性が加わるため、非常にややこしく感じられるかもしれませんが、先天運と姓名の関係性を語る上で非常に重要な概念となります。生剋名においても五行同様、良い作用と悪い作用が働きます。
食傷 | 食傷の良い面があらわれると利他的・器が大きい・創造力が高い・おしゃれでセンスがある・自由主義で物事に固執しないといった傾向となります。食傷の悪い面があらわれると批判的・攻撃的・思慮が浅く愚鈍・せっかちで無謀・無思慮といった傾向となります。 |
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財 | 財の良い面があらわれると社交的・行動的・積極的・異性にモテる・判断力が的確といった傾向となります。財の悪い面があらわれると怠惰・欲に負ける・意志が弱い・狡猾・無鉄砲といった傾向となります。 |
官 | 官の良い面があらわれると自制心がある・忠誠心がある・律儀・真面目・真摯・管理能力が高いといった傾向となります。官の悪い面があらわれると反抗的・悲観的・自傷的・恨みを持ちやすい・二面性がある・鬱屈といった傾向となります。 |
印 | 印の良い面があらわれると温和・雅量がある・親切・素直・信心深い・協調性があるといった傾向となります。印の悪い面があらわれると卑屈・頭でっかち・ネガティブ・協調性がない・好き嫌いが激しい・臆病・怠惰・依存心が強く騙されやすいといった傾向となります。 |
比劫 | 比劫の良い面があらわれると意志が強い・気力がある・胆力がある・気概がある・独立心が強い・逆境に強いといった傾向となります。比劫の悪い面があらわれると傲岸不遜・独りよがり・独善的・パワハラ気質・人の気持ちに無関心・自己中心的といった傾向となります。。 |
例をあげますと、たとえば先天運において日干が金の人の場合、官は日干を刻す火です。そしてこの火が命式において強く忌神である場合は、上記に記した官の悪い面が出やすいということになります。そしてその度合いは、先天運における忌神の力量に依るというわけです。
したがって姓名構造を考える時には、五行や生剋名の視点から考え、自分や子供がどのような性情になりたいのか(なってほしいのか)?を念頭に入れる必要があるということです。姓名の数があらわす気質ばかりを気にしても、これら五行・生剋名の視点がない場合は的外れになってしまいますのでご注意ください。
先天運と姓名における陰陽の視点
最後に、先天運と姓名における陰陽の視点について解説します。四柱推命では柱ごとに陰陽があり、合計で4柱ありますので、通常は4つの柱の陰陽を判断します(もしかすると干・支を分けて8つの陰陽でとらえる流派もあるかもしれません)。
対して姓名は五格構成ですので、5つの陰陽を捉えることができます。陰陽の視点は性質の内容や質ではなく、主に強弱を左右します。たとえば陽が多い場合、性質は剛。印が多い場合、性質は柔の傾向を帯びます。ただし陰陽に喜神・忌神はないため、単純に陰陽の力量で考えることができます。
そしてこの陰陽についても、強すぎればそれぞれの悪い面が出やすいため、注意すべき項目と言えます。とはいえ、陰陽は五行や生剋名よりも影響が小さいものですので、通常はそれほど気にする必要はないでしょう。
陽 | 陽の良い面があらわれると逞しい・気力が強い・積極的・物怖じしない・良い意味でサバサバ・リーダーシップがあるといった傾向となりあます。陽の悪い面が出ると攻撃的・気性が荒い・傲慢・冷たい・毒舌・果断に過ぎるといった傾向があらわれます。 |
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陰 | 陰の良い面があらわれると優しい・親切・包容力がある・度量がある・協調性がある・良い意味で従順といった傾向となります。陰の悪い面が出ると陰気・消極的・弱気・臆病・意志薄弱といった傾向があります。 |
ちなみに陰陽は2つでバランスが重要ですので、陽の良い面があらわれるということはすなわち陰陽のバランスが取れているということであり、逆も然りです。
私の場合は陽的性質傾向を好むため、陽が少し強めになるように姓名(音韻含む)を構成しています。